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コラム
第3回 【収益力と低コスト化】
28144079056.jpg株式会社メップス、代表の山崎です。このコラムでは「マーケットに対する生産システムの付加価値開発をどのように考え取り組むべきか」を論点に綴ってまいります。テーマは生産プロセス固有の「収益性とコストの関係」「生産システムの生産性」「生産計画と推進管理化」「生産システムの価値概念」の4つです。筆者の体験を通して気づいた点を報告致します。皆様の御参考になれば幸甚です。
 
 
今回、第3回の表題は【収益力と低コスト化】です。
 
 
デフレ、不況と言われ、久しく経ちます。厳しいマーケット環境の下、生産部門の収益力は一段と厳しい現状が続いております。例えば
 
● デフレ圧力下におけるマーケットからの一段の単価引き下げ要請
● マーケットへの供給能力における多品種小ロット化や多頻度納入
● 海外における資源高を原因とする原材料の高騰
●  為替変動による売上高や調達コストの不安定化 等
 
これらに起因した製造コストの高騰や、マーケットの需給関係の変動は生産部門のコスト造成力や回収能力を著しく悪化させています。今日のようなグローバル化の下では、こういったことは常態化し、経営的にも大きな問題点となっています。
生産システムの競争力は、このような事態への対応能力の如何により設定されることとなるでしょう。そのためには、カスタマーの価値創造に向け、生産システムにおける付加価値開発能力や運用管理能力が総合的にコントロールされることが重要です。そして、それを実現するための技術体系や能力強化が求められている  考えます。具体的には
 
■ 中長期のマーケット戦略に同期して、生産プロセス、調達市場、設計・製造・販売・物流の各機能、これらを上手にコントロールすること
■  諸部門の能力開発を誘導するマネジメント能力や推進管理能力の在り方をデザインし、再構築すること
 
を行い、生産システムの付加価値最大化の為の能力を高めることが肝要です。
 
 
例えば、各部門内だけでなく各部門間の協創の中で、その過程で生まれてくるコストの使われ方の問題というのも数多くあるのではないかと考えます。
 
◆  生産品目の体系や生産機能の構成が原因でコストの消費構造上の問題は生まれていないでしょうか
◆  工場の生産分担や調達先の編成の良し悪しによって、コストの最小化という視点から問題は生まれていないでしょうか
◆ 生産と販売と在庫の運用つまり需給の計画機能の良し悪しから、マーケットと工場コストの関係の中で問題は生まれていないでしょうか
◆ 生産システム全体の推進管理上、問題は生まれていないでしょうか。
 
 
生産システムの総合的なコントロール面から問題形成化を行い、原因分析の上、生産システムの付加価値開発能力や全体の運用管理能力を強化する最良案を企画し、実現していくこと
これが今日のような厳しい時代における生産部門の収益力強化と低コスト化の概念であると考えます。そのために
従来の受能型の生産部門より、より能動的なプロフィットセンターとしての組織の在り方を再検討し、マーケットリーダーカンパニーに向けて一歩進んだ体質創りに挑戦すること
が生産部門の使命と思うのです。
 
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